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モバイルアクセス解析入門

はじめまして。デジタルフォレストの石井陽子です。この記事に目を留めて頂いた方の中には、モバイルサイトでアクセス解析なんてピンと来ない、という方も多いのではないでしょうか。

アクセス解析なんて手間なだけ

私も講演などで、

・アクセス解析をすれば、ユーザーのニーズが見えてきます
・サイトのボトルネックが見えてきます
・施策の効果検証ができます
・仮説の検証ができます

なんてことを何度も何度も繰り返していますが、そんなことはみんな分かっているだろうし、はっきり言ってアクセス解析なんて手間。やって意味が無ければただの負担です。

 特にモバイルサイトの現場に携わったことのある方なら、アクセス解析なんて、2の次3の次。現場はまるで戦場のようで(日々の更新にてんてこ舞い、1つのコンテンツを更新し終われば、すぐに別のコンテンツを更新、次はメルマガ配信、終われば別のサイトの更新。で、知らぬ間に夜中…)そんな現場に「アクセス解析で一つ一つ効果検証を」なんて、浮世離れした話というのが現実です。

しかも、モバイルサイトはWebサイトに比べ、見せ方や使い方よりも「コンテンツの中身」の方が重要。コンテンツが世界に1つしかなくて、絶対他の企業が真似できないなら、手間ひまかけてアクセス解析をする理由はないですし、その必要もありません。実際のところ、そう思っている運営者の方も多いと思います。

差別化が必要な時代に…

しかし、複数のサイトで、まったく同じコンテンツが手に入るとしたらどうでしょう。

そうなったらユーザーが選ぶのは「自分にとって使い勝手がよい方」です。今の着メロ業界は典型的で、複数のサイトで同じ曲がダウンロードできてしまうので、自分にとって使い勝手のよいものを選ぶ傾向が強くなります。つまり、ユーザビリティの向上が、鍵を握るサイトもある、ということです。ただ、モバイルサイトの場合、そのユーザビリティ改善に少々難あり…です。

Webではできることが、モバイルだと困難に

デジタルフォレストには『モバイル版 ヒューリスティック評価』という、ユーザビリティ評価を行うサービスがあります。そのサービスを利用し、ユーザビリティにおいて特に評価が低かったポイントにおける原因を究明してみますと、バックヤードのシステムの仕様に関係していることが実に多かったりと、簡単に改善できないことがよくあります。

例えば1つのケースとして、“サブ画像を大きくしたほうが良い”場合を挙げたいと思います。

Webだと画像を大きくするために、ページレイアウトや拡大ボタンの設置、拡大率の変更など、ちょっとした工夫でできたりするのですが、モバイルの場合そうは行きません。

多くのサイトではCMS使っていて、キャリアや機種ごと、そして公式/一般サイトでページを出しわけしていますので、簡単なことのように思えるこのようなことでも、CMSの仕様を全部変えなくてはならなかったりします。となると、システム部門を巻きこまなくてはならないし、仕様変更にお金はかかるし、

「じゃあ画像を大きくして、どれぐらい売上が上がるって言うんだよ!」とかいう他部署の怖い反抗に堪えなければならないし…ちょっとしたことでも、えらい大ごとだったりすることが多いのです。



モバイルサイトのユーザビリティ改善には
システム改修を必要とすることが多いため関係各署への説明が必要。
モバイルサイトのユーザビリティ改善には関係各署への説明が必要
で、こういうとき、いくら「コンサルティング会社の人が言っているから」と言っても「じゃあ、それをやって幾ら儲かるか計算して来い」とか言われてしまうと、シュン…となってしまうわけです。私は、そうした社内交渉のときにこそ、アクセス解析データを使うことが重要だと考えています。

データを根拠に社内を動かす

例えば前述のケースで、読者のみなさんがシステム担当部長にこう言ったらどうなるでしょう。

「サブ画像の大きく出せるdocomo705i、905i以降の機種では、サブ画像を見たユーザーの5%がコンバージョンしているのに、サブ画像が小さい 903i以下の機種は、同じサブ画像を見たユーザーのコンバージョン率が2.5%です。903i以下の機種を使っている人はうちのサイトには40%いて、その人たちのコンバージョンが2倍になれば、全体のコンバージョン数は1,000回増えます。一人あたりの単価が5,000円ですから、売上は500万円までのアップが見込めます。システムの改修費用100万円を考えても、投資効果が十分でます」

コンバージョン率を2.5%→5.0%で4,000,000円の費用対効果に

コンバージョン率アップ

…ここまで言って、誰が反対するでしょうか。きっと「ちっ、理屈っぽい奴め」と思っても納得せざるを得ないし、仮に現場で反対されても、改修するより得するなら、会社は承認するはずです。

アクセス解析データを社内の説得に使う
アクセス解析データを社内の説得に使う

とはいえ、冒頭でもお話しているように、モバイル解析に大変な手間をかけていたら、モバイルサイトのビジネスサイクルに合いません。その結果を活かす前に、まったく違うサイトに変わっていたりしたら、やってきたことが水の泡。上司にも「更新作業やコンテンツを考えるほうに頭を使え」と言われてしまいます。

モバイル解析では“いかに手間をかけずに、意味のあるデータを出すか”も重要なのです。

次回は、手間をかけないアクセス解析の方法として、解析を行うタイミングと、データを見るポイントについて解説したいと思います。

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